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CG制作の見積もり相場を徹底解説!費用が決まる仕組みとコストを抑える7つのポイント

2026.06.27

目次

CG制作の見積もりを依頼したものの、提示された金額が妥当なのかわからず、戸惑っていませんか?同じ「1分の動画制作」なのに、制作会社によって60万円と200万円以上で見積もりが異なることもあり、何が価格差を生み出しているのか理解しづらいのが実情です。さらに、見積もり後に追加費用が発生したり、期待していたクオリティに達しなかったりといった失敗事例も多くあります。

実は、CG制作の見積もり金額は「人工(にんく)」という概念と、モデリング、レンダリング、アニメーションなど8つの工程、そして対象物の複雑さや納期といった4つの変動要因によって決定されています。

これらの仕組みを理解し、発注側の準備と工夫を行うことで、品質を維持しながら見積もり金額を大幅に削減し、信頼できる制作会社を選定することが可能になります。本記事では、業界標準の相場感から、見積もり内訳の詳細、コスト削減の具体的な7つのポイント、そして制作会社選びのチェックリストまで、CG制作の見積もりに関するすべてを徹底解説します。

CG制作の見積もり相場|静止画・動画別の費用目安

CG制作の見積もり相場(静止画・動画別の費用目安)のイメージイラスト

CG制作の見積もりは、最終的なアウトプットの形態と内容の複雑さによって大きく変動します。まずは業界の標準的な相場感を押さえておくことで、制作会社からの見積もりが妥当なのかを判断できるようになります。

静止画CG制作の費用相場

静止画のCG制作費は、1カット(1アングル)あたり5万円から15万円が一般的です。この幅が生まれるのは、対象物の複雑さと求められるクオリティに左右されるためです。例えば、シンプな工業製品であれば5万円程度で実現可能ですが、複雑な機械装置や内部構造を表現する必要がある場合は、モデリングやテクスチャリングの工数が増え、10万円を超えることが多くあります。

動画制作の費用相場

動画制作の費用はより広がりを見せます。60万円から150万円、場合によってはそれ以上かかるケースも珍しくありません。

価格差の主な要因

この価格差の要因は複数あります。まず、CADデータの有無が大きく影響します。既存の3DモデルやCADデータが提供される場合、制作費を抑えやすくなります。一方、ゼロから3Dモデルを作成する必要があれば、モデリングの工数が増え、費用は跳ね上がります。

次に、動画の尺とカット数の密度です。1分間の動画でも、1カットをじっくり見せるタイプと10カット以上の場面転換がある構成では、必要な作業量が大きく異なります。カット数が多いほど、モデリングやレンダリングといった各工程の繰り返し作業が増え、制作費用は倍以上になることもあります。

クオリティと演出の選択も重要な要素です。最初は低予算での制作を希望していた企業でも、提案されたサンプルやリファレンス動画を見ると、より高いクオリティを求めたくなるというケースは少なくありません。フォトリアルな表現や流体シミュレーション、複雑なエフェクトの追加は、見積もり金額を大きく押し上げます。

さらに、納期も金額を左右する重要な要素です。通常の制作スケジュールであれば60万円で実現できる内容でも、特急対応が必要になれば、人工(にんく)の単価自体が上がるため、実際には80万円以上のコストがかかります。

制作会社選びのポイント

制作会社を選ぶ際には、複数社に相談し、同じ内容で見積もりを取ることをお勧めします。見積もり依頼の際に、完成イメージを具体的に伝えることで、制作会社もより正確な金額を提示できるようになります。予算と品質のバランスを取りながら、納得できる依頼方法を見つけることが成功の鍵となります。

費用が決まる算出根拠「人工(にんく)」の仕組み

CG制作の見積もりを理解するうえで最も重要な概念が「人工(にんく)」です。これはクリエイター1人が1日(8時間)フル稼働で作業した場合の単価を指します。見積書に記載される金額の大部分は、この人工の単価と作業日数の掛け算で算出されています。

業界相場と単価の構成要素

現在の業界相場では、1人工あたり5万円から7万5000円程度が目安です。この金額は決して作業時間給ではなく、CG制作に必要な専門スキルと経験、そして高度な機材や技術環境を維持するための投資を含んでいます。

クリエイターのキャリアによる単価差

ただし、人工の単価はすべてのクリエイターで同じではありません。制作会社の規模や実績、クリエイターのキャリアによって大きく異なります。新人レベルの作業者であれば3万円程度で設定されることもありますが、ベテランのモデラーやアニメーターは10万円を超えることもあります。

職種と人員配置による単価の違い

職種による単価の違いも重要です。実際のモデリングやアニメーション作業を担当する作業者と、プロジェクト全体を指揮するディレクターでは単価が異なります。さらに、制作会社によってはプロジェクトマネージャーを配置し、複雑な案件を効率的に進める体制を整えています。こうした人員配置の充実は、単価に反映されます。

ベテランクリエイターがもたらす価値

単価が高い理由は、作業時間だけに留まりません。ベテランクリエイターがもたらす表現力や判断力、そして手戻りを防ぐための知識経験は、結果的にプロジェクト全体のコストを削減します。複雑な修正が必要になった際も、経験豊富なディレクターが早期に問題を認識できれば、後工程での大掛かりな修正を避けることができます。

付加価値サービスと総合的な効率性

加えて、制作会社が提供する付加価値も単価に含まれます。3DCG制作だけでなく、関連するパンフレット制作や広告媒体への展開、キャスター手配など、映像化後のマーケティング支援まで対応できる会社は、単価が高い傾向にあります。しかし、このワンストップ対応により、複数社への発注手続きを削減でき、最終的には効率的な予算運用が実現します。

見積もり比較時の重要な視点

重要なのは、人工単価の高さそのものではなく、その単価が生み出す価値です。見積もりを比較する際には、単純に安さを重視するのではなく、その会社がもたらす技術的信頼性と実績を検討する必要があります。特に、自社の業界や用途に関連した実績を多く持つ会社であれば、専門知識を活かした効率的な作業が期待でき、修正回数も少なくなる傾向にあります。

人工の理解から交渉へ

見積もり段階で「人工」の考え方を理解していれば、「なぜこの金額なのか」という疑問に対して、制作会社からの説明に納得しやすくなります。同時に、作業工程の効率化や素材の事前準備によって、人工数そのものを削減するための交渉も可能になります。予算と品質のバランスを取りながら、最適な発注方法を検討する際の重要な指標となるのです。

見積もり内訳を理解する!CG制作の主要な8つの工程

CG制作の主要な8つの工程(企画からモデリング・アニメーション・納品まで)のフロー図イラスト

CG制作の見積書に記載されている項目を理解するために、実際の制作工程を工程順に解説します。各段階がどのような作業であり、なぜ人工がかかるのかを認識することで、見積もり金額の妥当性が判断しやすくなります。


  1. 企画・コンセプト設計


    制作の最初の段階は、何をどのように表現するかの方向性を決めることです。どのアングルから製品を見せるのか、どんな動きをつけるのか、どのような背景を用いるのか。こうした基本的な設計に時間をかけることで、後の修正を大きく減らせます。この工程の丁寧さが、最終的なコスト効率を大きく左右します。



  2. モデリング


    3DCGの土台となる形状を作成する工程です。提供されたCADデータから3DCGソフトウェアで使用可能な形に変換したり、ゼロから形状を作り込んだりします。複雑な形状ほど時間がかかり、ここが不十分だと後のすべての工程に悪影響を及ぼします。重要な理由は、モデリングが完成してからの修正は工程を遡る大掛かりな修正になるためです。



  3. テクスチャリング


    モデルの表面に色や質感を設定する工程です。金属なら光沢感、プラスチックなら艶消し感、布なら織目の表現といった具合に、素材ごとの特性を再現します。参考となる実写写真が提供されると、この工程の効率が大きく向上し、人工数を削減できます。



  4. リギング・スキニング


    キャラクターを動かすために必要な「骨組み」を仕込む工程です。人体であれば関節ひとつひとつに骨を設定し、その動きに合わせて表面の皮膚がどう変形するかを定義します。この工程の精度が動きの自然さを決定します。



  5. アニメーション設定


    リギングされたモデルに動きをつける工程です。キャラクターの歩き方、製品の回転スピード、カメラの動き方といった、映像全体の流れを制御します。この工程で実現したい動きを明確に伝えることが、修正を減らすための重要なポイントです。



  6. ライティング


    3Dシーン内の光の当たり方を調整する工程です。どこから光を当てるか、陰影をどう表現するかで、同じモデルでも全く異なる印象になります。展示会用のアピール的な明るい設定から、神秘的な暗めの設定まで、用途に応じた調整が必要です。



  7. レンダリング


    すべての設定が完了した3Dシーンをコンピュータに計算させて、映像として出力する工程です。1フレーム出力に数時間かかることもあり、1秒間(30フレーム以上)の映像を完成させるには膨大な時間を要します。クオリティを上げるほど計算時間が延びるため、ここがコスト増の大きな要因になります。レンダリングは映像化に不可欠な工程であり、削減の余地がない部分です。



  8. コンポジット・レタッチ


    レンダリングされた素材を編集ソフトで合成し、最終調整を行う工程です。複数のレイヤーを組み合わせたり、色調を整えたり、背景との馴染みを調整したりします。このレタッチの精度が、CGらしさを払拭し、高品質な仕上げを実現させます。


これら8つの工程は連鎖的につながっており、前の工程が不十分だと後の工程で修正が必要になります。特にモデリング段階での不備は、すべての後工程に影響を及ぼし、最終的には膨大な追加コストを招きます。見積もり交渉の際には、各工程がなぜ人工を要するのかを理解したうえで、制作会社と打ち合わせを進めることが、予算を抑えながら品質を維持するための鍵となります。

CG制作の見積もり金額を左右する4つの変動要因

CG制作の見積もり金額は提示された概算から大きく変動することがあります。同じ「1分の動画制作」でも60万円で完成する場合と、200万円以上かかる場合があるのです。この価格差を生み出す主要な4つの要因を理解することで、見積もり交渉をより有利に進められます。

対象物の複雑さとデータの有無

最初の変動要因は、制作対象物の複雑さです。シンプルな工業製品であれば、モデリングに要する人工は少なくて済みます。しかし、細かい部品が多い機械装置や、複雑な内部構造を表現する必要がある場合、モデリング工数は倍以上に増えます。

特に大きな影響を及ぼすのが、CADデータの提供有無です。既存の3DモデルやCADデータが活用できれば、制作費を大幅に抑えられます。一方、ゼロから形状を作成しなければならない場合、またはCADデータを3DCGソフトウェアで使用可能な形に最適化する必要がある場合、人工数が大きく増加し、見積もり金額は跳ね上がります。

演出のリッチさと表現の難度

第二の要因は、映像表現の複雑さです。シンプルなカメラワークで製品を回転させるだけの動画と、流体シミュレーション(水や炎の表現)、複雑なエフェクト、実写素材との合成を含む動画では、必要な作業量が大きく異なります。

クオリティの誘惑も重要なポイントです。当初は低予算での制作を希望していたお客様でも、制作会社が提示したサンプルやリファレンス動画を見ると、より高いクオリティを求めたくなるケースが少なくありません。フォトリアルな表現への変更や、追加のビジュアルエフェクトの挿入は、見積もり金額を数十万円押し上げることもあります。

カット数と尺の密度

第三の要因は、映像に含まれるカット数です。1分間の動画でも、1つのシーンをじっくり見せる構成と、10カット以上の場面転換がある構成では、必要な作業ボリュームが全く異なります。カット数が多いほど、モデリング、レンダリング、編集といった各工程の繰り返し作業が増え、総人工数が増加します。

同じ1分の動画でも、10秒程度のシーンが6回繰り返される構成と、毎回異なるシーンが続く構成では、後者の方が明らかに高額になります。見積もり依頼の際には、完成イメージを絵コンテで具体的に伝えることで、正確な金額を引き出せます。

納期と修正回数

最後の変動要因は、納期の余裕と修正対応です。通常のスケジュールで進めれば60万円の案件でも、特急対応が必要になれば、クリエイターの人工単価そのものが上がり、80万円以上のコストが発生します。特急料金は一般的に1.2倍から1.5倍程度と見積もっておくべきです。

加えて、修正回数も大きな影響を与えます。無料修正は通常2回程度が目安ですが、工程を遡った修正(例えば、エフェクト完了後にモデリング段階への修正指示)は、後の工程すべてをやり直す必要があるため、莫大な追加費用が発生します。見積もり段階で修正回数の上限を明確に確認し、社内合意形成を先に済ませることが、最終的な予算オーバーを防ぐための重要なポイントです。

これら4つの要因を事前に認識し、制作会社と十分に打ち合わせを行うことで、見積もり金額の予測精度は大幅に向上します。

【用途別】業界別のCG制作費用感と特徴

CG制作の費用は業界や用途によって大きく異なります。同じ「1分の動画」でも、業界によって求められるクオリティ、精密さ、表現方法が変わるため、見積もり金額も劇的に変動します。主要な業界別の特徴と費用感を解説します。

製造業・工業製品向けCG

製造業は、既存のCADデータを活用できるメリットが大きい分野です。設計図やCADモデルが提供される場合が多いため、ゼロからのモデリング工数を削減できます。しかし、CADデータをそのまま3DCGソフトウェアで使用することはできず、データの最適化(リトポロジー)という追加工程が発生します。この変換作業が人工を要するため、想定以上にコストがかかるケースが多いという点を認識しておくべきです。

費用相場は、シンプな製品であれば1分あたり60万円前後から実現可能です。ただし、複雑な機械装置や内部構造の表現が必要になれば、100万円を超えることもあります。

不動産・建築業向けCG

建築パースやVR展開を含むこの分野では、ライティングとレタッチが特に重要です。建物そのものの形状作成よりも、光の当たり方、周囲の植栽、室内の家具配置といった「空間の質感」を表現するために、多くの人工を費やします。写実的な表現が求められるため、一般的に高額になる傾向にあります。

基本的な建築パースは1件あたり15万円から30万円程度ですが、VRコンテンツとしての展開や、複数の時間帯の光の表現を求める場合は、50万円以上に跳ね上がります。

医療・科学技術向けCG

この分野の特徴は「正確さ」を最優先とする点です。単に見た目が美しいだけでなく、人体の解剖学的正確性や医学的根拠が不可欠です。そのため、医学専門家による監修が必要になり、専門家の人件費が見積もりに加算されます。複雑な内部構造(血管、臓器、骨格など)の再現には、高度なモデリングスキルと医学知識の両方が求められます。

費用は高めで、1分あたり150万円以上になることも珍しくありません。ただし、医学的な信頼性が得られることで、営業資料やプロモーション動画としての効果が高く、費用対効果で見れば投資価値が高いケースが多いです。

テレビ番組・エンタメ向けCG

テレビ番組用のCGは、建物や風景を説明する「模式図的」な表現が多いため、工業製品や医療系ほどの写実性を求められません。そのため、相対的に費用を抑えやすい分野です。1カットあたり15万円から25万円程度で実現可能です。

ただし、短納期対応が頻繁に求められるため、特急料金が発生しやすい点には注意が必要です。また、複数カットを同時進行で制作する場合、ボリュームディスカウントの可能性があります。

共通する重要なポイント

どの業界であっても、自社の用途に近い制作実績を持つ制作会社を選ぶことが最も重要です。同じ業界の実績が豊富な会社であれば、業界特有のノウハウを活用でき、効率的に高品質な成果物を納品できます。見積もり依頼の際には、自社の業界と似た事例を参考資料として提供することで、より正確で納得感のある金額を引き出せます。

品質を維持しながらCG制作コストを抑える7つのポイント

品質を維持しながらCG制作コストを抑えるポイントのイメージイラスト(チェックリストと費用グラフ)

CG制作のコストを抑えるには、発注側の準備と工夫が不可欠です。制作会社に丸投げするのではなく、戦略的に情報を整理して依頼することで、品質を維持しながら見積もり金額を大幅に削減できます。実務的で効果的な7つのポイントを紹介します。

素材提供による作業負荷の軽減

最も効果的なコスト削減は、素材提供です。既存のCADデータや3Dモデル、そして表面の質感を再現するための高解像度な実写写真を提供できれば、制作会社の作業負荷は大幅に軽減されます。特に、テクスチャ用の実写素材があれば、テクスチャリング工程の人工を数日削減できます。

このメリットは単なる作業時間の短縮ではなく、制作会社の「リスク低減」にもつながります。データが揃っていれば、予想外の修正が発生する可能性が下がり、見積もりに含まれるバッファを削ることができるのです。

発注前の企画準備の徹底

動画制作において、カット数と尺が決まっていることは極めて重要です。詳細な絵コンテがあれば、制作会社は「何を作るべきか」を完全に把握でき、不要な工程を排除できます。同時に、ナレーション原稿があれば映像の尺が確定し、正確な人工数を算出できます。

逆に、コンテなしで「お任せ」の状態で依頼すれば、制作会社は最悪のシナリオを想定して高めの見積もりを出さざるを得ません。社内で十分な打ち合わせを行い、完成イメージを具体化してから発注することが、見積もり精度を高める最短ルートです。

修正ルールの事前設定と工程承認の厳格化

無料修正は通常2回程度が基準です。工程を遡った修正(例えば、完成後にモデリング段階への変更指示)は、後工程すべてをやり直すことになるため、追加費用が発生します。

この事態を防ぐには、各工程の承認タイミングで徹底的に確認することが重要です。特に、モデリング完了時点でのクライアント確認を厳格に行い、形状に関する変更指示を事前に出し尽くすべきです。修正を「修正」(無料)と「変更」(有償)に分類し、契約段階で明確にしておくことも重要です。

データ互換性の事前確認と資料の充実

CADデータを提供する場合、事前に3DCGソフトウェアとの互換性を確認することで、制作会社の最適化工程を削減できる可能性があります。もしくは、複数の資料形式(PDF、画像など)を同時に提供することで、制作会社の判断材料を増やし、効率的なモデリングを促進できます。

ただし、専門的な変換作業が必要な場合は、制作会社に任せた方が確実です。むしろ、提供側の努力よりも、データの完全性を優先すべき点には注意が必要です。

予算に応じた演出上限の事前決定

「フォトリアルにしたい」「複雑なエフェクトを入れたい」といった要望は、見積もり金額を大幅に押し上げます。最初の企画段階で、予算に応じた「演出の上限」を決めておくことが重要です。

例えば、基本的なカメラワークと色調調整で十分な用途なのか、フォトリアルな表現が必須なのか。こうした基準を明確にすることで、無駄な工数を削減でき、予算内で最適な品質を実現できます。

複数社への相見積もりと効果的な情報共有

同じ内容で複数社に見積もりを依頼することで、市場相場を把握できます。極端に高い見積もりと安すぎる見積もりを除き、中間的な価格帯の会社と交渉することが現実的です。

相見積もりの際には、詳細な仕様書ではなく、ラフな絵コンテやメモで十分です。むしろ、「ここまでは自社で対応できる」という情報を共有することで、制作会社の提案の幅が広がり、コスト削減案を引き出しやすくなります。

十分な制作期間の確保による特急費用の回避

特急対応は、クリエイターの人工単価を1.2倍から1.5倍に跳ね上げます。逆に、通常スケジュール(4週間から6週間程度)での進行であれば、制作会社も余裕を持った対応ができ、見積もり金額も抑えやすくなります。

プロジェクト全体のスケジュール管理を早めに行い、制作会社に十分な制作期間を提供することが、最終的なコスト効率を高める確実な方法です。

失敗しない制作会社選び|見積もり比較時のチェックリスト

見積もり金額が安くても、結果的にクオリティ不足や追加費用の発生で失敗するケースは少なくありません。制作会社を選ぶ際には、金額以外にも確認すべき重要な要素があります。失敗しない選定のためのチェックリストを紹介します。

ポートフォリオで「自社商材に近い実績」があるか確認する

制作会社のポートフォリオを見る際、最も注視すべき点は「派手さ」ではなく「類似性」です。エンタメ系の豪華な実績よりも、自社の商材(工業製品、建築、医療など)に近い制作実績があるかを徹底確認してください。

同じジャンルの実績が豊富な会社であれば、業界特有のノウハウを持ち、効率的で質の高い制作が期待できます。逆に、全く異なる分野での成功実績しかない会社では、学習コストが発生し、見積もり金額の上昇や納期延長につながる可能性があります。

「社内クリエイターがいるか」を明確に確認する

極めて重要なポイントが、その会社に社内クリエイターが存在するかです。外注を主体とする会社(仲介業務中心)に依頼すれば、コミュニケーションコストが二重になり、見積もり金額も跳ね上がります。加えて、品質管理が緩くなり、修正対応が遅延するリスクも高まります。

見積もり依頼時には、気軽に「制作チームの体制」を質問してください。社内にモデラー、アニメーター、レンダリングエンジニアがいるのか、それとも外部パートナーに委託するのかで、対応力が大きく変わります。

実績の「制作範囲」をヒアリングする

提示されたポートフォリオの実績が、本当にその会社で「すべて制作」されたのか、それとも「一部だけ」かを確認することが重要です。特に、モデリングはA社、レンダリングはB社、編集はC社というように、工程ごとに外注している場合、品質管理が困難になります。

「この実績のどこからどこまでを貴社で担当されましたか」と具体的に質問することで、会社の実力と体制を見極められます。

修正対応の進め方と意思決定の速度を確認する

修正が必要になった際、その判断と実行が誰によって行われるかは重要です。クリエイターに直接フィードバックが届く体制なのか、それとも複数の仲介者を経由するのかで、対応速度と品質が大きく変わります。

見積もり段階で「修正が発生した場合、どのような流れで対応されますか」と確認し、ディレクターの技術理解度や対応力を試してみてください。その場で技術的な可否や代替案を提示できるかが、その会社の実力を示す重要なバロメーターです。

担当ディレクターの技術理解度を確認する

見積もり打ち合わせで、自社の専門的な要望(CADデータの最適化方法、特定の質感表現、複雑なアニメーション)に対して、その場で技術的な判断や代替案を提示できるディレクターかどうかを見極めることが重要です。

経験豊富なディレクターなら、予算制約の中での現実的なソリューションを提案できます。これは「熱量」の表れであり、そうした会社はプロジェクト進行中も誠実に対応してくれる傾向にあります。

著作権と秘密保持契約(NDA)の条件を確認する

法人発注の場合、著作権の扱いやNDAについて、事前に明確にしておくべきです。制作物の著作権が制作会社に帰属するのか、発注側に譲渡されるのか。また、制作過程での情報漏洩防止の体制がどうなっているのかを確認することが重要です。

複数社との比較で「相場観」を把握する

最終的には、同じ内容で複数社に見積もりを依頼し、価格帯と対応内容を比較することが最も確実です。見積もりの詳細内訳(工程ごとの人工数)が明確に記載されているか、隠れた追加費用の可能性はないかを検討したうえで、最も信頼できる会社を選定してください。

スムーズな見積もりのために発注前に準備すべき4つの項目

制作会社に見積もりを依頼する際、情報が不足していると、制作会社はリスクを見越して高めの見積もりを出さざるを得ません。逆に、以下の4つの項目が事前に整理されていれば、精度の高い見積もりを引き出せます。


  1. 目的とターゲット層を明確にする


    最初に確認すべきは、制作物を「誰に、何のために見せるのか」という根本的な目的です。営業資料として展示会で使用するのか、Webサイトに掲載するのか、テレビ番組の放送素材として使うのか。ターゲット層によって、求められるクオリティや表現方法は大きく変わります。


    例えば、経営層向けの経営会議での説明資料と、一般消費者向けのWebプロモーション動画では、同じ製品を扱っていても全く異なる制作内容になります。目的が曖昧なままだと、制作会社は複数のシナリオを想定して見積もることになり、金額が跳ね上がります。



  2. 希望納期と予算上限を伝える


    「いつまでに納品が必要か」と「予算はいくらか」を明確に伝えることで、制作会社は現実的な提案ができるようになります。特に、予算の上限を先に伝えると、その予算内で最適なプランを提案してくれる傾向にあります。


    納期については、余裕があるほど特急料金が発生しにくくなり、見積もり金額も下がります。逆に「お任せ」という曖昧な指示は、最悪のシナリオを想定した高い見積もりを招きます。



  3. 完全な3Dデータとテクスチャ用実写写真を用意する


    既存のCADデータや3Dモデルがあれば、モデリング工程の人工を大幅に削減できます。さらに、製品の表面質感を再現するための高解像度な実写写真があれば、テクスチャリング工程もスムーズに進みます。


    これらの素材が揃っていることを見積もり依頼時に伝えれば、制作会社も「予想外の修正が少ない」と判断でき、見積もりのバッファを削ることができます。



  4. 絵コンテとナレーション原稿(または全体尺)を準備する


    動画制作の場合、カット構成とナレーション原稿が最も重要です。詳細な絵コンテがあれば、「何を作るべきか」が完全に明確になり、不要な工程を排除できます。ナレーション原稿があれば、映像の尺が確定し、正確な人工数を算出できます。


    原稿がない場合でも、「全体尺は1分程度」「カット数は6カット程度」という概要だけでも、見積もりの精度は劇的に向上します。


社内で十分な検討を行い、これら4つの項目を整理してから見積もり依頼することで、制作会社との意思疎通がスムーズになり、最終的には予算内で希望通りのCG制作が実現します。

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